虫供養 | 一棟貸ヴィレッヂ ~ ITTOGASHI VILLAGE ~

虫供養

blog
2019.11.13

一棟貸ヴィレッヂ(ほんそん棟)がある三島町の早戸本村。唯一ここだけに残っている古くからの行事「虫供養」が11月11日に行われました。

農耕を妨げ、暮らしの中で害をなす様々な虫。やむを得ず駆除してしまった虫たちを年に一度供養するという珍しい風習です。

間もなく90歳になる村の長老、弥一さん。この村のことは何でも知っている頼れる存在。集落の入り口からスタートした弥一さんの後を、子供たちがついていきます。

弥一さんが鳴らす鐘の音を聞きながら、やや上り坂の一本道を集落の突き当りにある供養碑まで歩きます。

ここ早戸本村は、7世帯12人しか住んでいない小さな集落。普段はひっそりとしたこの集落に子供たちのはしゃぎ声が響き渡ります。この日はお天気も良かったので、「供養」というよりまるでお散歩を楽しんでいるようでした。

供養碑に到着すると、村の女性たちが準備を整えて待っていてくれました。途端にそれまではしゃいでいた子供たちも少し緊張気味に。

村の家々に咲く菊の花を持ち寄り、手作りの団子やお線香と一緒にお供えします。お団子の上には傍で満開になっていた銀杏の葉っぱも。こんなさり気ないお供えが素朴で素敵ですね。

昔は煮物やそばだんごを沢山作って、天秤棒でかついで持ってきたそう。拝んだあとは子供たちと一緒に食べるのが楽しみだった、と弥一さん。

この日も子供たちと一緒にお団子やお菓子を食べました。

山深いこの地域では色んな虫たちと共存しなければなりません。代表的なものにクサムシ(またの名をカメムシ)があります。パクチーのような香りを放つため、地元の人はパクチー嫌いが多いといいます。私もようやくその気持ちがわかってきたところです。笑

現在では毎年11月に行われていますが、昔は12月だったため雪が多くて供養碑まで行けず遠くから拝んだこともあったそうです。

冬は雪の下に埋まってしまう石碑。(2019年2月7日撮影)

供養碑へ続く道。お墓も雪の下に。(2019年2月7日撮影)

【冬のほんそん棟】2019年2月7日撮影

静寂に包まれる雪の中をお散歩しながら、虫供養の碑に手を合わせに行ってみませんか?

 

一棟貸ヴィレッヂ

https://ittogashi-village.jp
福島県奥会津の三島町・早戸
TEL : 0241-42-7712、 080-1818-0011